今日は
肩こり腰痛に代表される
筋肉のコリをほぐす
振動刺激療法について
お話します。
筋肉は、
筋腹と腱によって
構成されています。
筋腹には
「錘外筋」と「錘内筋」
があります。
「錘外筋」は収縮=力を発揮し
「錘内筋」は伸び縮みを感知する
センサーになっています。
腱にも
「腱紡錘」という
伸び縮みを感知する
センサーが
ついています。
筋肉は
筋・腱合わせて
2つのセンサーが
ゆるめる(弛緩)か
縮める(緊張)か
の調節を行なって
力(収縮)の調節を
行っています。
肩こり腰痛などの
筋肉のコリをほぐせるかは
これら2つのセンサーに対して
どうやって
『筋肉をほぐす刺激』
を与えるか
にかかってきます。
『筋肉をほぐす刺激』には
圧す・揉む・揺らす・引っ張るなど…
様々な方法がありますが、
その中でも効率的に
筋肉を弛緩させる刺激方法が
『揺らす=振動』です。
なぜなら
最も効果的に
筋肉をほぐす方法とは
筋肉自体を
物理的にほぐすのではなく
先に述べたセンサーを通して
神経から筋肉へ
ほぐれてくるように
促してもらう(促通する)ことが
一番だからです。
他の方法でも
十分に筋肉をほぐす刺激になるのですが
圧す・揉む・引っ張るというアプローチは
1回の動作で1つの刺激でしかありません。
しかし
『揺らす=振動』という刺激は一回の動作で
細かい刺激が大量に与えられます。
他の方法を「足し算の刺激」とするなら
振動は「掛け算の刺激」なのです。
この振動の力を用いた治療法が
『振動刺激療法』
といいます。
振動刺激療法の歴史は古く
遡ると古代ギリシャの時代から
マッサージ手技の一つとして
用いられていました。
近年では振動刺激装置が開発され
神経筋促通法として
手技以外でも
実施されるようになった
治療法です。
筋肉は振動数によって
ゆるむ周波数(=弛緩する)と
力が入る周波数(=緊張する)があります。
緊張と弛緩を分ける振動数が
100Hzです。
1Hzとは1秒間に1回
振動することをいいます。
100Hzとは1秒間に100回、
1分間に6000回も
振動することになります。
これを計算して作られたのが
家庭用ハンディーマッサージャーです。
これは
「強」で6600回/分(約110Hz)
「弱」で5500回/分(約90Hz)
の調整ができて
それぞれ筋肉の
弛緩~緊張の調整が
できるようになっています。
これを「弱」にして
肩や腰へ当てるだけでも
肩こり腰痛に効果が期待できるのです。
「じゃあ全身を100Hz以下の
振動で揺らしてやれば
肩こり腰痛なんて
なくなるんじゃないの!?」
…と思ってしまいますが、
現実そううまくはいきません。
マッサージャーを
こんにゃくに当てる所を
想像してみてください。
当たっている部分の振動が
反対側へどれだけ伝わるでしょうか?
人の体は、
こんにゃくとは言わないまでも
骨以外の場所は
軟部組織で出来ています。
それらの柔らかい部分が
振動を吸収して
深い場所まで伝わることを
妨げてしまうのです。
肩こり腰痛の原因となる
筋肉のコリというのは
表面の大きな筋肉ではなく
外から触れないような深層筋のコリ
であることがほとんどです。
そのため
全身を振動する装置を使っても
周りが振動を吸収してしまい
固くなった深層筋へは
伝わらないのです。
マッサージャーもその点は同じで
接地面が表面的なため
外側の比較的柔らかい筋肉が
振動を吸収し
固い深層筋には届きません。
ではどうすれば
深い場所にある
筋肉のコリに対して
効率的に振動を
伝えられるのでしょうか?
そこで
進化を続けてきた
振動刺激療法の
最終形の一つとして
考案されたのが
『マイオバイブ』です。
これはマイオセラピーの
創始者である辻井洋一郎先生が
理論と臨床経験に基づいて
深層筋のコリに対して
『筋肉をほぐす刺激=振動』
を伝えるため
考えた末に作り上げられた
専用の施術機器です。
マイオバイブは
先端ユニットが
14~15㎜程度と細く作られており
根元のモーターが生み出す振動(約20Hz)を
先端へダイレクトに伝えます。
そしてこの先端を
背骨に沿って当てることで
深層筋を刺激していきます。
そのため
柔らかく大きな
外側の筋肉を避けて
深層筋へ直接
振動を伝えることができます。
これにより
従来は触ることもできなかった
深層筋をほぐすことが
可能になったのです。
さらに
背骨を介して
周囲にも振動を伝えるため
より効果的に
深い場所の筋肉群へ
アプローチできる
ようになっています。
しかし
この施術法は
振動する15㎜の先端を
深層筋へ的確に
あてがう必要があるため
扱うセラピストの
熟練した技術を必要とし
この施術を受けられる場所は
全国でもまだ
少ないのが現状です。
以上が
肩こり腰痛に代表される
筋肉のコリに対して
進化し続けてきた振動刺激療法です。
軽い肩こり腰痛なら
マッサージャーの弱振動によって
時間をかけてほぐすことを
オススメします。
そのとき
注意が必要なのは
患部に対し力任せに
押し付けるのではなく
振動が筋肉に伝わるよう
適度な力であてがうことです。
これさえ気を付ければ
家庭でも効果的な
セルフ振動刺激療法が
行えると思います。
しかし長年
「痛くなる→マッサージ→ましになる→痛くなる」を
繰り返しているような
根深い肩こり腰痛をお持ちの方は
上記のマイオバイブをオススメします。
このような
「ましになる」状態は
良くなったのではなく
感じなくなった状態
なのです。
つまり
痛みがマヒしているだけで
治っているわけではないのです。
そういった方は
背中の奥深くに
どうしようもないコリを
抱えている場合が多く
「どうせ治らないし…」と
諦めている方が多いように思います。
そんな方はぜひ一度
ご相談ください。
お役に立てるかもしれません(^^)